入院20日間 その1

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病院での出来事 おしっこ&食事

 入院が決まって、病室に運ばれた。身動きが出来ないので、ベットのまま移動する。周りが見渡せないので天井を見ながらの移動となる。天井にはカビが生えていたり、使われていない無線LANの端末があったり、病院の長い間の歴史が至る所に刻まれている。

 体の状態の先が見えないので、管理がしやすい個室に運ばれた。個室の環境は悪くない。2時間おきぐらいに検温・血圧を看護師さんが計りに来る。時間がたつにつれ、だんだん痛みが増して寝られない。点滴で痛み止めを常時入れている状態でも腰が頭が指が首が痛い...。いったい僕の体はどのくらいのダメージを受けているのだろう...。パジャマ(?)のまま階段から落ちたので、そのままベットに寝ている。動けないけど関節部分は全部動くので、強い打撲なのかもしれない。既にお医者さんは僕の状態を知っているのだろうけど、部屋に来るのは看護師さんだけ。仮に状態を聞いたところで、痛みが無くなるわけでもないので、黙って寝ておくことにした。

 初日目は上向きの状態から、わずかでも体を横向きにしようものなら激痛が走る。なので上向きの同じ姿勢で耐えなければならない事にだんだん不安になってきた。そもそもトイレをどうすれば良いかが第一の課題だ。夜中に尿意を感じて尿瓶を準備してもらったが、僕は人がいるとおしっこが出せないという弱点がある。看護師さんが尿瓶を持ってくれてても出せないので、こぼれないようにセットしてもらったけど出せないで終わった。仕方が無いので、その後強制的にカテーテルを入れて出してもらう方法をとった。女の若い看護師さんが来てくれて、尿道にカテーテルを挿入するのは気持ちいいものではない。向こうも仕事だし、僕の方は出さないと死につながったらいやなので、仕方が無いと諦めた。ただ毎回これをやってもらうのは気持ち的に落ち込んでしまう。

 夜が明けて食事があるのかと思ったら、朝は食事が無かった。昼も食事が無かった。全身が痛いので結局一人では食べられない。体も全く動かしていないので食事もどうでもよくなってきた。ただお腹は減ってきて、久しぶりの本気の空腹感がうれしくなった。夕方食事が出てきた。どのようにすれば食べることが出来るか自分の体と相談するリハビリのスタートだ。ベットを斜めにしてテーブルの上の食事をしようと思ったが、上半身を45度以上立てることができない。首も立てることが出来ないので、斜め上を見たような感じで体を固定した。すると食器の場所は分かるのだけど、中身が全く見えないし固形物か汁物か分からない。仕方が無いのでスマホのカメラ機能を潜望鏡代わりにして中身の確認をして食べ始めた。口の中も乾いていてさらに斜めに食事を取るのは初めてで、気道と食道の分かられ目をゆっくりと食べ物が流れるのが分かる。下手すると気道に入って誤嚥性肺炎になるかと思った。30分以上かけて事故後初めての食事を食べることが出来た。

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この記事について

このページは、音楽工房『響』管理者 てんまるが2022年12月 6日 10:55に書いた記事です。

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